中学受験を本格的に目指し始めるタイミングが小学5年生からである場合、「今から塾に入っても授業についていけないのでは?」と不安に思う方もいるでしょう。
しかし、小学5年生からでも十分に間に合う可能性があります。
本記事では、小学5年生から塾に通い始める際に確認しておきたい勉強の進め方や、勉強についていけない場合の対処法について紹介します。
中学受験を成功させるために重要なポイントを確認しておきましょう。
小学5年生から塾で中学受験勉強を始めるのは「遅い」とされる理由
小学5年生から塾で中学受験勉強を始めることに対して、遅いといわれることがあります。
これは、なぜなのでしょうか。
ここでは代表的な理由を5つ解説します。
①中学受験のカリキュラムが4年生から始まるから
多くの進学塾では、小学4年生から中学受験用のカリキュラムが始まります。
そのため、早くから塾に通い始めて小学4年生から中学受験用のカリキュラムに取り組んでいる子どもと比べると、学習を開始するタイミングが遅れてしまうことは避けられません。
もちろん、低学年のうちから塾で中学受験に向けた学習を始めている子どももいます。
このように、早くから学習を始めた子どもと比べると不利になることが「小学5年生から塾で学習を始めるのは遅い」といわれる理由の一つです。
②塾の学習スピードが速いから
中学受験では膨大な内容を取り扱うため、塾の授業の進度は非常に速いのが特徴です。
4年生のうちから中学受験を想定して塾に通い始めている子どもは、1年をかけて学習の基礎を身に付けながら、塾での学習に慣れていきます。
5年生からは本格的に学び始める段階です。
5年生から塾に通い始める場合、4年生から通っていた子どもたちがすでにスピード感を持って学習しているところに合流することになります。
そのため、ついていけないケースが多いことも、5年生から塾に通い始めるのでは遅いといわれる理由です。
③下位のクラスでスタートすることになるから
塾の中には、クラス分けや組分けといった制度を取り入れているところもあります。
5年生から塾で中学受験に向けた学習を始める場合、一般的には下位クラスでのスタートとなるでしょう。
一方、上位クラスでは下位クラスでは学ばないような難しい内容を取り扱うこともあります。
4年生から入塾しても上位のクラスに入れない子どももいるため、その状況下で5年生から入塾して上位クラスに入るのは非常に難しいことです。
場合によっては、下位クラスで学べる内容に合わせて志望校の変更が必要になることもあります。
④勉強できる時間が限られているから
5年生から本格的に受験勉強を始める場合、実際に受験するまでに使える時間は1年半ほどしかありません。
基礎的な部分ができていない場合、基礎固めから始めたいところではありますが、十分に時間を取るのは難しいといえるでしょう。
多くの塾では6年生になるとカリキュラムの中心が模試や復習、演習になることから、時間の制約の問題が発生してしまいます。
「学習時間を増やせば他の子どもに追いつけるのではないか」と考える方もいるでしょう。
しかし、早くから学習を始めた子どもも、時間の許す限り勉強しています。
そのため、他の子どもより多くの学習時間を確保するのは難しいことです。
睡眠時間を削るなどの方法では、かえって学習効率が落ちてしまいます。
このように、勉強できる時間が限られているのも5年生から塾で中学受験勉強を始めるのは遅いといわれる理由です。
⑤入塾できない可能性があるから
そもそも、小学5年生からでは入塾できない可能性もあります。
各塾では定員や入塾テストを設けており、条件を満たせなければ入塾を断られてしまうケースも珍しくありません。
こういった事情を知っている保護者は小学1年生など、非常に早い段階から入塾させています。
「塾に入って勉強すれば何とかなるはず」「これから本格的に学び始めたい」と考えていても、場合によっては入塾できないケースがあることも理解しておきましょう。
小学5年生からの中学受験勉強の始め方
これから本格的に受験勉強を進めていきたいと考えているのであれば、中学受験勉強の始め方から確認しておきましょう。
ステップとしては、情報を集める、塾を探して選ぶ、志望校を選ぶの3つです。
それぞれ解説します。
情報を集める
まずは中学受験にあたり、必要な情報を集めることから始めましょう。
塾に通い始めるタイミングとして小学5年生を検討していたとしても、情報収集はできるだけ早い段階から始めるのがおすすめです。
そもそも中学受験とはどのようなものか、学校の選択肢としてはどういったところがあるのかなど、さまざまな情報が必要になってきます。
もし、親や子どもの兄弟に中学受験の経験があったとしても、年数が経過していれば当時とは中学受験の現状が異なる可能性があります。
中学受験は年々変化しているので、最新情報を収集することが重要です。
塾を探して選ぶ
子どもに合った塾選びも欠かせません。
小学5年生から中学受験を目指すとなると、とにかくハイスピードで学習できる塾を選ぼうと考えることもあるでしょう。
ですが、学習している内容が難しい塾を選んでしまうと、現在の学力では追いつけない可能性もあります。
子どもの理解度に合わせたカリキュラムが用意されている塾を選択することが重要です。
塾を探す際は講師の質や立地、かかる費用なども含めて検討する必要があります。
志望校を選ぶ
早い段階で志望校を具体的に確定しておきましょう。
その際、無理することなく合格できる学校を選択することが重要です。
塾に通って本格的に学べば、難易度の高い学校にも合格できそうな気持ちになることもあるでしょう。
しかし、子どもに大きな無理をさせないためにも、現在の偏差値で手が届く中学校を選択することをおすすめします。
中学受験では複数の中学校を受験できるので、偏差値45以下、45以上、55以上といった形で複数の選択肢を持つとよいでしょう。
前向きに学習を進めていくためには、子ども自身が各学校の特徴を知り、合格を目指したいと思える志望校であることも重要です。
小学5年生から中学受験の勉強を始める際の勉強方法
周囲の小学4年生から本格的に学んでいる子どもとの差を埋めるためには、効率的に勉強を進めていかなければなりません。
ただし、勉強量を増やすだけでは効率的とはいえないので、小学5年生から受験勉強を始める際には、次に塾で習う単元を4年生のテキストで事前に学習してから授業に臨む方法がおすすめです。
そのためには、4年生のテキストや入門用の教材を用意しておきましょう。
わからないことを塾で一から学ぶとなると、都度理解しながら進めなければなりません。
ですが、あらかじめ学習しておくことで理解のスピードが大幅に早くなります。
特に算数の学習に力を入れることが大切です。
整数の掛け算と割り算、分数の掛け算と割り算をしっかりマスターしておきましょう。
小学3年生、4年生で習う算数をできる限り完璧にしておき、新単元の勉強も並行して行っていくことが重要です。
子どもが中学受験の勉強についていけないときの対応
中学受験のための勉強を始めてはみたものの、なかなかついていけないと感じることがあります。
勉強を始めたからといって、必ずしもすぐに学力が向上するわけではありません。
子ども自身が周りについていけていないと感じると焦ってしまうこともあるでしょう。
ここでは、具体的な対策について解説します。
塾の講師に相談する
まず行いたいのが、塾の講師に相談することです。
学習の仕方などについてよく理解していない親がアドバイスすると、的外れな提案をしてしまうこともあります。
一方、塾の講師は学習方法や子どもの理解度などについて詳しく把握しているため、客観的なアドバイスを受けられるでしょう。
塾の講師に相談できるのは、塾での学習に関することだけではありません。
家庭学習の方法に悩んでいるのであれば、おすすめの教材を紹介してもらうのもよいでしょう。
学習についていけないと感じた場合は、すぐに対策を講じることが重要です。
ついていけない状態が長く続いてしまうと取り戻すのが大変になるので、早期に対応しましょう。
保護者面談や連絡帳を活用する
わからないところがあるものの、直接自分から講師に相談できないタイプの子どももいます。
そういった場合は、保護者から講師に相談することも検討しましょう。
塾の中には、保護者面談や連絡帳などの方法で保護者と講師がやりとりしやすい環境を整えているところもあります。
子どもがなかなか講師に相談できず悩んでいるようであれば、積極的に活用してみてはいかがでしょうか。
わからない問題を追求させる
わからない問題をそのまま放置してしまうと、その先の勉強も難しくなってしまうことがあります。
そのため、わからない問題があった場合はしっかりと追求させましょう。
塾を活用する際は、塾で習った内容を復習すると効果的です。
復習するのとしないのとでは大きな違いが出てきます。
自分で考えてもわからない問題は講師に質問するように伝えておきましょう。
受講するコースの変更を検討する
どうしても今のままでは塾の勉強についていけないと感じているのであれば、思い切って受講するコースの変更を検討してみるのも一つの方法です。
そもそも、全く授業についていけていない場合は、選択しているコースの難易度が合っていないと判断できます。
コースの変更について検討しているのであれば、講師に相談してみるのがおすすめです。
子どもの学力からどのコースに変更すればよいか判断してもらいましょう。
ただし、子どもが「まだがんばりたい」と考えている可能性もあるので、親が独断でコースの変更を決めるのではなく、子どもともしっかり話し合いの場を設けることが重要です。
できるだけ途中でコース変更しなければならない事態になるのを避けるには、入塾する時点で慎重にコースの見極めを行うことが大切になります。
子どもが中学受験の勉強についていけないときの注意点
子どもが中学受験の勉強についていけないと、親も焦ってしまうことでしょう。
ですが、適切な形で対応しなければ状況の好転は見込めません。
そこで、受験勉強についていけないとき、どのようなことに注意すればよいのか確認しておきましょう。
悲観しすぎない
まず考えたいのが「今のままでは合格できない」「受験できないかもしれない」といった悲観的な考えを持たないということです。
成績がなかなか上がらないと、こういった心配ごとを抱えるのは仕方がないことともいえます。
しかし、親が不安に感じていることは、子どもにも伝わるものです。
結果として「努力しても報われない」「自分には無理だ」といった気持ちが生まれてしまいます。
小学5年生から中学受験をして合格を目指すためには、やる気を持って学習に取り組んでいかなければなりません。
親が悲観しすぎると学習のモチベーションが低下してしまう可能性があるので、注意が必要です。
塾の勉強についていけないと感じた子どもが、悲観的な感情を抱えてしまうこともあるでしょう。
そういった場合でも、前向きな姿勢で学習に取り組めるようにサポートすることが求められます。
転塾は慎重に検討する
今の塾では授業についていけないと感じた場合、他の塾に転塾するのも一つの方法です。
しかし、慎重に検討しなければなりません。
特に、塾についていけない原因がはっきりしないまま転塾した場合、同じことの繰り返しになってしまう可能性があります。
明らかに塾の難易度やカリキュラムが子どもに合っていない場合は転塾も効果的ではありますが、塾についていけない原因によっては根本的な解決にならないこともあるので、注意しましょう。
また、学習環境が変わることは子どもにとってストレスになります。
仲のよい友達と離れることになってモチベーションが低下した、これまでと講師の教え方が違い混乱につながったなどの理由でつまずいてしまうこともあるので、慎重な判断が必要です。
中学受験におすすめの塾
中学受験のため塾に通い始めたいと考えた際、どのような選択肢があるのでしょうか。
合格を目指すためにも塾選びは特に重要なポイントです。
小学5年生からの学習となると学べる時間が限られているため、効率的に力をつけるために子どもの性格や学習スタイルに適した塾を選ばなければなりません。
ここでは、中学受験におすすめの塾を紹介します。
個別教室のトライ
個別教室のトライはマンツーマン指導で有名です。
子どもの理解度に合わせて柔軟な指導を行っています。
そのため、集団授業塾では学習が間に合わないと考えている場合にも適しているでしょう。
特に小学4年生の内容を補習しながら学習を進めたい場合に向いています。
それから、いつでも利用可能な自習室が用意されているのも特徴です。
自宅では集中して学習できる環境が用意できない場合も活用してみましょう。
対話式進学塾 1対1ネッツ
個別指導塾であっても中には1対1ではなく講師が複数人の子どもを見るところもありますが、対話式進学塾 1対1ネッツでは完全にマンツーマン形式で指導が受けられます。
「対話式進学塾」とあるように、講師と対話をする中で理解を深めていくのが特徴です。
受講目的に合わせたコースが多数用意されているので、特に苦手としている部分や、理解度を高めたい部分などを集中的に学習することも可能です。
臨海セミナー 小中学部
臨海セミナーでは、受験対策に力を入れたい子ども向けの中学受験科のほか、学校補習に力を入れたい子ども向けの小中学部があります。
小中学部は、学習習慣を身に付けたり、学校の授業の理解度を向上させたいと考えた場合に適しているコースです。
中学受験科では、基本の確認と応用問題への対応力などを含めて、より本格的な中学受験対策ができます。
湘南ゼミナール
湘南ゼミナールでは、集団または個別指導が受けられます。
小学5年生を対象とする学習目的別コースが複数あるので、現在の学力や苦手としていることから適したコースを選択できるでしょう。
勉強のスケジュールの立て方や宿題のやり方、各種テストの勉強方法など、学力向上に欠かせないさまざまな要素が身に付きます。
小5英語の授業ではアルファベットの大文字と小文字の読み方・書き方から学習可能です。
個別指導WAM
個別指導WAMは、全国に展開している個別指導塾です。
基礎学力を身に付けたい方は補習コース、受験対策を本格的に行いたい方は受験対策コースを選択するとよいでしょう。
苦手科目に特化したカリキュラムが用意されるので、苦手を克服して総合的に学力を高めたい場合に適しています。
志望中学ごとの入試傾向を理解しており、生徒の環境や学力も踏まえて、効果的な戦略で志望校合格を目指す学習塾です。
進学個別指導のTOMAS(トーマス)
進学個別指導のTOMASは、一対一の指導でカリキュラムを完全オーダーメイドできる塾です。
中学受験には知識・計算・記述などに関する知識が求められますが、これらの基礎から学べます。
マンツーマンでの指導が受けられるので、子どもの学力に合わせ、周囲を気にすることなく実力を身に付けられるでしょう。
担当講師以外にも担任がつくこともあり、手厚いサポートで志望校合格を支えます。
代々木個別指導学院
代々木個別指導学院は、生徒をほめることでやる気を引き出すスタイルの個別指導塾です。
中学受験を目指してはいるものの、学習のやる気がない、なかなか苦手を克服できないといった場合に適しているでしょう。
子どもの学習目的に合わせる形で、それぞれに適したカリキュラムを作成しています。
基礎固めから応用まで、段階的に学習を進めていきたいと考えている場合にも向いています。
小学5年生からの中学受験勉強に向かない環境
小学5年生から中学受験勉強に取り組みたいと考えているのであれば、子ども自身の努力だけでは対応できません。
特に環境に問題があると勉強に集中できないので注意が必要です。
以下の環境は中学受験勉強に向かないといえるので、改善していきましょう。
親の環境
親の受験に対する向き合い方に問題があるケースが挙げられます。
過剰に心配しすぎたり、反対に無関心であったりすると、子どもの勉強が長続きしにくくなるので注意しましょう。
寝る時間や遊ぶ時間を奪ってとにかく勉強をするように求めたり、学習に関することはすべて子ども任せにしたりしているようではよくありません。
バランスのとれたサポートが重要といえるでしょう。
特に小さい子どもはまだ自身で学習時間や生活リズムを整えるのが難しいため、これらをしっかりサポートすることが求められます。
子どもの環境
周囲に中学受験をする友達がいない子どもは、勉強に集中できないことがあります。
周りの友達が遊んでいるときに、自分だけ勉強しなければならないことがストレスになることもあるでしょう。
特に勉強嫌いの子どもは前向きに受験勉強に取り組むのが難しく、塾に通ってもなかなか学力が向上しないこともあります。
親はこの点をよく理解し、子どもが前向きに学習できるような環境を整えましょう。
家庭の環境
子どもが集中して学習するのに向かない環境になっている場合も注意が必要です。
たとえば、兄弟がすぐ隣でゲームをしていて集中できない、学習に適した椅子や机がそろっていないなどが挙げられます。
小学5年生からの学習となると自宅での学びも必須となるため、集中して勉強に取り組める環境を作ることが重要です。
家庭での生活リズムにも注目しましょう。
夜ふかしや朝寝坊が習慣になっていると、学習効率が落ちてしまいます。
静かで落ち着いて勉強できるスペースを用意したり、生活のリズムを整ることが欠かせません。
小学5年生からでも中学受験合格は目指せる
いかがでしたでしょうか?
今回は、一般的に「遅い」といわれることもある小学5年生からの中学受験勉強について紹介しました。
小学5年生からの受験勉強であったとしても、工夫次第で挽回できます。
ただし、独学では難しい場合が多いため、効率的に学習できる塾を選ぶことが重要です。
早慶ネクシアでは、これから本格的に受験勉強を始めたいと考えている小学5年生を手厚くサポートします。
完全定員制で一人ひとりに寄り添った指導が可能です。
名門中学への合格を目指している方はぜひご相談ください。
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