集団授業塾と個別指導塾の違いや、どちらがよいのかわからず悩んでいる方に向けて、それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説します。
塾を選ぶ際は、子どもに合った形態を選ぶことが重要です。
あまり深く考えずに選んでしまうと、「子どもに合っていなかった」と後悔してしまうこともあります。
そこで今回は、集団授業塾と個別指導塾ではそれぞれ何が違うのか、どのような子どもに向いているのかについて解説します。
この記事を読むことで、小学生・中学生・高校生に向いている塾もわかるようになるので、ぜひ参考にしてみてください。
集団授業塾と個別指導塾はどちらがよい?
塾を選ぶ際、よく考えなければならないのが「集団授業塾」と「個別指導塾」のどちらを選択するかについてです。
必ずしも一方が優れているわけではなく、子どもが望んでいる学習スタイルや性格、志望校との相性などによって総合的に判断することが重要です。
まずは、それぞれの特徴から解説します。
集団授業塾の特徴
集団授業塾は、一人の講師が複数の生徒を教えるスタイルです。
学校の授業をイメージするとわかりやすいでしょう。
生徒の数は塾によって異なりますが、講師一人あたりの生徒数は、おおよそ10人から数十人です。
授業形式も学校と同様で、あらかじめ全体で進めていくカリキュラムが決められており、それに沿って学習を進めていきます。
周りの生徒も同じスピードで学習を進めていくことになり、計画的に学習を進めていきたいタイプの子どもに向いている種類の塾です。
個別指導塾の特徴
個別指導塾は、一人の講師が一人から3人程度の少人数を教えるスタイルです。
塾によってはそれより多くの子どもを見ることもありますが、少人数制なのが集団授業塾との大きな違いといえます。
集団授業塾の場合はあらかじめ決められたカリキュラムに沿って学習を進めていく一方、個別指導塾はそれぞれに合わせオーダーメイドのような形で学習内容を決められるのが特徴です。
苦手教科の克服や、学校の授業の補習などにも活用されています。
集団授業塾と個別指導塾のメリット・デメリット
集団授業塾と個別指導塾には、それぞれ異なるメリット・デメリットが存在します。
どちらの塾を選択すればよいか悩んでいる場合は、子どもにとってどちらがメリットを感じられるか検討しましょう。
集団授業塾のメリット・デメリット
集団授業塾の大きなメリットは、以下の通りです。
【メリット】
- 仲間と切磋琢磨することで、モチベーションを維持しやすい
- 個別指導と比較して費用を抑えられるケースが多い
- カリキュラムが固定されているため、学習計画を立てやすい
- 費用が比較的安いため、通う回数を増やしやすく、学習習慣が身につきやすい
周囲には仲間でありライバルでもある子どもがいます。
周囲の子どもから刺激を受け、切磋琢磨できるのは集団授業塾の特長です。
また、1か月あたりの費用が個別指導塾と比較して安く設定されているケースが多いため、検討しやすく、通う回数を増やしやすいのもメリットです。
ただし、以下のデメリットも確認しておきましょう。
【デメリット】
- 授業についていけず、つまずいてしまう可能性がある
- 一度つまずいてしまうと置いていかれることがある
- 個別指導塾と比較して講師に質問しにくいことがある
- 一人ひとりに合ったフォローが難しい場合がある
集団授業塾でよく感じるデメリットは、一人の講師が複数の生徒をみるため、一人ひとりに合わせた学習ができないということです。
あらかじめ決められているカリキュラムに沿って学習が進んでいきますが、わからないことがあった場合は、自分で振り返って理解する必要があります。
もちろん、講師に質問することは可能ですが、他にも多くの生徒がいるため、質問の機会が限られる場合もあります。
講師は一度に多くの子どもを担当するため、学習についていけない子どもを見逃してしまう場合があります。これも集団授業塾のデメリットです。
個別指導塾のメリット・デメリット
続いて個別指導塾についてです。
【メリット】
- 一人ひとりの理解度や苦手に合わせた学習指導が受けられる
- 少人数制で行われることもあり、一人ひとりに目が行き届きやすい
- 講師との距離が近く、質問しやすい環境が整っている
- 子どものペースに合わせて学習を進められる
他に多くの子どもがいる集団授業塾とは違い、わからないことがあったときはすぐに講師に質問ができます。
特に人見知りの子どもは自分から講師に質問しにくい場合がありますが、個別指導塾なら質問しやすい環境です。
また、部活動に取り組んでいる子どもの場合、部活が忙しいなどの理由から学習が遅れてしまうことがありますが、そういった場合も子どものペースで勉強を進められるのがメリットです。
ただし、デメリットもあります。
【デメリット】
- 集団授業塾と比較して費用が高いケースが多い
- 講師との相性が学習効果を左右することがある
- 周囲に他の子どもがいないため競争意識を持ちにくい
保護者にとってのデメリットは、集団授業塾より費用が高額になりやすい点です。
できれば個別指導塾を選びたいものの、費用の関係で集団授業塾を選択しているという方もいます。
また、指導を担当する講師と子どもとの相性も重要なポイントです。
質問しやすい環境が整っていても相性が悪いと質問しにくくなる、学習に身が入らないといったケースもあります。
周囲にライバルがいないのもデメリットです。
自分ひとりで強い意志を持ち、取り組む必要があります。
場合によってはモチベーションを保てず、個別指導塾を選んでも、効率的に学習できない場合があります。
このように、費用の高い個別指導塾を選んだからといって、集団授業塾以上の効果が得られるわけではありません。
集団授業塾と個別指導塾に向いている子ども
集団授業塾と個別指導塾は、どちらも優れており、重要なのは「子どもに向いているか」です。
それぞれの塾にどのような子どもが向いているのか具体的にみていきましょう。
集団授業塾に向いている子ども
集団授業塾に向いているのは、周囲と積極的に関わることができるタイプの子どもです。
友達やライバルと切磋琢磨しながら自身を高められる子どもに向いています。
また、積極的に講師に質問ができるタイプの子どもであれば、わからないことがあったときもつまずきにくいといえるでしょう。
集団授業塾では、決められたカリキュラムに沿って学習を進めます。
そのため、カリキュラムに沿って課題に取り組める子どもが向いているといえるでしょう。
一度授業についていけなくなると、学習の調子を崩してしまうことがあります。そのため、自分で努力しながら取り組める子どもが集団授業塾に向いています。
これから塾に通いたいと考えている場合は、ある程度の基礎学力が備わっていることも条件の一つです。
わからないところを一から指導してくれるスタイルではないため、このあたりに注意が必要です。
一方、集団環境が合わず、自身でやる気や目標を持って学習を続けられない子どもは個別指導塾のほうが向いている可能性があります。
個別指導塾に向いている子ども
個別指導塾に向いているのは、自分のペースで勉強したい子どもや、マンツーマンまたは少人数での学習スタイルの方が性格的に合っている子どもです。
すでに学校の授業についていけない、または基礎学力が不足している子どもも、個別指導塾に向いています。
やはり個別指導塾の大きな特徴として挙げられるのは、講師との関係が近く、わからないことがあった際はすぐにアドバイスが受けられることです。
この点に大きな魅力を感じているのであれば、集団授業塾よりも個別指導塾の方が向いているでしょう。
大人数中だと萎縮してなかなか発言ができない子どももいますが、そういった場合も個別指導塾であれば一人ひとりに目が届きやすくなるので、講師の側から質問の有無を確認してくれることもあります。
ただし、マンツーマンまたは少人数で学習することから、ライバルの存在を感じられないことがあります。
競争心を持つことで実力を発揮しやすい子どもには、集団授業塾の方が適している場合もあるでしょう。
集団授業塾と個別指導塾の費用相場
費用は塾によって大きく異なりますが、一般的には集団授業塾よりも個別指導塾の方が料金設定は高めになります。
以下は費用相場の目安です。
学年 集団授業塾 個別指導塾
小学生 15,000~60,000円 25,000~100,000円
中学生 20,000~60,000円 35,000~100,000円
高校生 30,000~60,000円 40,000~80,000円
選択する塾や地域による違いもあるので、こちらはあくまで目安としてください。
この他に入会金や教材費が必要な場合もあります。
また、維持費や設備費といった名目で費用が発生することもあるので、料金形態を十分に確認しておくことが大切です。
具体的な料金については、直接各塾に問い合わせなければわからないケースもあります。
その際の対応や、レスポンスの速さなども塾選びをする際に注目したいポイントといえるでしょう。
集団授業塾と個別指導塾は併用できる?
集団授業塾と個別指導塾のどちらにしようか悩んでいるのであれば、併用する選択肢もあります。
ただし、メリットとデメリットのどちらが大きいかを考えておかなければなりません。
併用することで、集団授業塾では基礎学力を養い、苦手分野は個別指導塾で補うといった学習方法が可能です。
特に中学受験を控えている小学生の場合、効率的に学力を向上させて苦手も克服したいと考えているのであれば、併用について検討してみるのもよいでしょう。
一方で、費用が高額になることや、塾ごとの指導方法の違いによって混乱しやすいといったデメリットもあります。
また、授業数や宿題が多くなる可能性もあり、子どもにとって大きな負担がかかるリスクも考えておきましょう。
塾通いで疲れてしまえば、日々の学習効率が落ちることも考えられます。
併用しても学力が向上するとは限らないため、慎重に検討することが大切です。
小学生(中学受験)におすすめの塾
中学受験を控えている小学生は、慎重に塾選びをしなければなりません。
学習習慣が十分に身についていない子どもも多いですが、早い段階から塾で自分に合った学習スタイルを身につけることで、今後の学習において大きな支えとなります。
ここでは、代表的な集団授業塾と個別指導塾を紹介します。
小学生におすすめの集団授業塾
集団授業塾を探している場合は、栄光ゼミナールや日能研を候補にできます。
栄光ゼミナール
栄光ゼミナールといえば、全国に教室を展開している大手の進学塾です。
10人程度の少人数制のクラスが特徴で、一人ひとりに合った学習指導を行っています。
大人数で同時に学ぶ学習塾とは異なり、集団塾ではあるものの少人数指導であるため、講師と生徒の距離が近いのが魅力です。
独自の学習システムである栄光メソッドを取り入れ、中学受験に必要な知識を効率よく学べます。
日能研
日能研は、集団授業塾ですが、丁寧に授業を行っていることで知られています。
新しい内容を急いで学ぶのではなく、一つずつ学んで復習しながら進めるのが特徴です。
テストが多く行われているので、本当に理解できているかも確認しやすい環境が整えられています。
小学6年生では中学受験での応用的論点を扱っており、志望校別日曜特訓が受けられることからしっかり学べます。
小学生におすすめの個別指導塾
個別指導塾を探している方には、個別指導の明光義塾がおすすめです。
個別指導の明光義塾
明光義塾は、一人ひとりに合った志望校対策を提供している個別指導塾です。
小学生向けの多様なプログラムを提供しており、自分の言葉で学習内容を説明する対話型の授業が特徴的といえるでしょう。
この授業により「何となく理解している」「わかったつもり」のまま次に進んでしまうのを防げます。
全国に教室があるため、通いやすい環境が整っています。
子どもが自分で考えながら学習を進めていくための自立型の指導に力を入れています。
中学生(高校受験)におすすめの塾
中学生になると、高校受験に向けてより本格的な学習が求められるようになります。
ここでは、中学生におすすめの塾情報をご紹介します。
中学生におすすめの集団授業塾
中学生におすすめの集団授業塾は、以下の2つです。
開成教育セミナー
開成教育セミナーは、少人数制の学習塾であり、主に関西エリアや東京で小学生から高校生までを対象とした塾を展開しています。
双方向対話型のゼミ式授業であり、ただ講師が指導するスタイルではなく、発話を重視した指導を行っているのが特徴です。
講師に気軽に質問しやすい環境が整っているので、わからないことをそのままにしてしまうことも防げるでしょう。
小中高一貫指導を行っているため、長く通いたい方にも向いています。
臨海セミナー 小中学部
臨海セミナーは、難関校受験に特化しているタイプの集団授業塾です。
独自のシステムを導入しており、一般的な通常授業のほか、宿題、テスト、模試を繰り返すことで成績向上を目指します。
難しいことは何度も繰り返し学べるので、一度で覚えるのが苦手な子どもにも向いているでしょう。
個別の補習や課題も用意されていることから、部活との両立がしやすい集団授業塾を探している方にも選ばれています。
中学生におすすめの個別指導塾
少人数制で学びたいのであれば、個別指導塾を選びましょう。
中学生には個別教室のトライがおすすめです。
個別教室のトライ
個別教室のトライは、子ども一人ひとりの学習状況などをもとに適したカリキュラムを作成する学習塾です。
そのため、子どもの理解度に合わせたペースで学習を進められる特徴があります。
講師と生徒がマンツーマンの場合、もし講師との相性が悪かったときに困ることもありますが、個別教室のトライには教室長兼教育プランナーがいて、間に入って学習の最適化を図っているのも特徴です。
独自のトライ式学習法で高校受験をサポートします。
高校生(大学受験)におすすめの塾
大学受験を控えている高校生にとって、塾は非常に重要な存在となります。
進路を大きく左右することから、志望校や学習状況に適したサポートも必要です。
ここでは、高校生の大学受験対策としておすすめの塾について紹介します。
高校生におすすめの集団授業塾
高校生におすすめの集団授業塾は、駿台予備学校と河合塾です。
駿台予備学校
駿台予備学校は、1コマ50分制で授業を行っている予備校です。
1コマ90分制をとっている学習塾もありますが、それよりも授業やテキストを細分化しているのが特徴といえます。
難関大学受験において多く選ばれており、国公立私立・理系文系・志望校ごとにコースが設置されています。
そのため、それぞれのレベルや目標に合った形で学習可能です。
学習面だけではなく、生活面に関してもクラスごとに設置された専属の担任が担当します。
河合塾
河合塾は、豊富なコースとカリキュラムが用意されている集団授業塾です。
幅広い学力層に対応可能な柔軟なカリキュラムで、わかりやすさを重視した授業が行われています。
知識として必要なことを学べるのはもちろん、自力で問題を解く力や知識の定着も重視しているのが特徴です。
入試問題を熟知しているプロが生徒の反応をみながら授業を進めているので、わからないことがあった際はしっかりサポートしてもらえるでしょう。
高校生におすすめの個別指導塾
高校生におすすめの個別指導塾として挙げられるのが、個別指導 スクールIEです。
個別指導 スクールIE
スクールIEは「やる気スイッチ」でおなじみの学習塾です。
子どもが自然とやる気を持てるような授業を行っています。
そのため、一人ひとりに合ったアドバイスが受けられる塾を選択したいと考えている場合に向いているでしょう。
子どもの性格や学習習慣、学力などを診断テストで把握し、その結果に基づいてオーダーメイドのテキストを作成して指導を行います。
1対1または1対2の個別指導が受けられるので、集中的に学習可能です。
集団授業塾と個別指導塾を選ぶ際のチェックポイント
塾を選ぶ際には、どのようなポイントを確認すればよいのでしょうか。
費用や知名度だけで選ぶのではなく、子どもの性格や適した学習スタイルについて考えることが重要です。
ここでは、塾選びをする際にチェックしておきたい5つのポイントを解説します。
指導カリキュラム
どのようなカリキュラムが用意されているか確認しましょう。
たとえば、基本から学び直したいと考えているのであれば、復習系のカリキュラムに力を入れている塾が適しています。
また、受験対策を効率的に進めたいのであれば、進学塾で入試に特化したカリキュラムが用意されているか確認することが重要です。
提供されているカリキュラムの内容は塾によって大きく異なるので、比較したうえで検討することをおすすめします。
講師の先生
学習成果を大きく左右するものとして、講師の質が挙げられます。
単純に授業がわかりやすいかだけではなく、子どものモチベーションを高められるような講師であることが重要です。
特に個別指導塾は講師との相性がよくないと成果にも大きく関わるため、どのような講師がいるか調べておきましょう。
サポート体制
塾によってどういったサポートが用意されているかが大きく異なります。
受験に関する情報提供や進路相談を用意しているところもありますが、重要なのは子どもが求めているサポートが受けられるかどうかです。
定期テスト対策や保護者面談、自宅学習をサポートできるオンラインでのサポートなど、求めているサポートが用意されているか確認しておきましょう。
子どもの性格
塾に通うだけで成績が上がるとは限らず、子ども自身の主体的な学習姿勢が不可欠です。
そのためには、子どもの性格に合っている塾を選ぶようにしましょう。
塾に行くことがやる気ではなくストレスにつながってしまうような場合、なかなか学力向上は見込めません。
性格との相性も重視すべきポイントです。
立地や環境の安全性
通いやすい立地であることや、環境の安全性も大切な要素です。
特に夜遅くなっても安心して通える環境の塾を選択しましょう。
授業内容が魅力的でも、通塾が大きな負担になると継続は難しくなります。
子どもに合った塾を選択することが何よりも大切
いかがでしたでしょうか?
今回は集団授業塾と個別指導塾の特徴や違い、おすすめの塾について紹介しました。
塾選びは子どもの将来と大きく関係している大切な決断です。
子ども自身とも話をしながら適した塾探しをしましょう。
早慶ネクシアでは一人ひとりに合わせたサポートを提供しており、早慶中学の合格率は89.0%、大学付属校は100%となっています。
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