【中学受験の疑問】「偏差値○○以下の中学なら公立中学に行かせます!」という母親に限って不幸せな中学受験になってしまうのか?

皆さん、こんにちは。
幸せな中学受験の道先案内人で、
中学受験コンサルタントの野田英夫です。

今回、私が最も危険だと感じ、
同時に「不幸せな中学受験」になると断言する「ある言葉」を紹介します。

それは、

「うちの子は、偏差値○○以下の中学なら、公立中学に進学させます!」

潔いようで、実は最も中学受験の成功を遠ざけてしまう言葉です。

私がここで言う「不幸せな中学受験」とは、単に志望校に不合格になることだけではありません。

親子の信頼関係が崩壊し、子どもの自信や主体性が根こそぎ失われた状態で、結果的に公立進学という結末を迎える、最悪のパターンを指します。

なぜ、親の強いこだわりが、かえって子どもの可能性を奪い、親子を深く傷つける「不幸せな受験」を招くのか。

その根本的な構造を解説します。


1. 不幸せの根源:「親のプライド」を最優先する愚かさ

学校の価値を偏差値でしか測れない病

「○○以下なら公立」という発言は、中学受験の目的を完全に履き違えています。

本来、学校選びの目的は「お子さんが中高の6年間、充実した環境で学び、才能を伸ばし、将来の幸せな人生を送ること」です。

しかし、この言葉を口にする親御さんは、学校の価値を偏差値でしか見られず、「○○以下の学校に行かせたのでは世間体が悪い」と、子どもの幸せより自分のプライドを優先しています。

この言葉を口にする母親は、最も愚かな選択をしていると言わざるを得ません。

もったいない考え方:
「偏差値◯◯以下の学校だったら、公立中学に行かせます」という考え方は、本当にもったいないことです。偏差値的には下位の学校にも、素晴らしい学校はたくさんあります。
入学時には偏差値が低くても、卒業時には難関大学に合格できる進学校だっていくらだってありますし、付属校においては、大学受験に左右させることなく、自分のやりたいことに集中できる環境があります。

偏差値という単なる「評価基準」に固執し、子どもの個性や校風との相性という本来の「目的」を無視している時点で、「不幸せな受験」の種は蒔かれてしまっています。


2. 親子の信頼関係の崩壊と「逃げの姿勢」

主体性の喪失と「逃げの姿勢」

親の過度なプライドは、最も大切なお子さんのモチベーションを破壊し、親子関係を悪化させます。

「○○以下なら公立」という言葉は、親がはじめから保険と逃げ場を用意している発想そのものです。
子どもはそれを見て、「ダメだったら公立がある」という逃げの姿勢でしか勉強しなくなります。
親が自ら、子どもに本気で取り組む姿勢ではなく、逃げの姿勢を教えているのです。

子どもはわかっていないようでよく見ています。
この受験が、「自分のためではない」と感じ取っているものです。

他人事の受験:
親が「ここ以下は価値がない」と併願校を軽視していることを知ると、子どもも「この学校は価値がない」「たとえ合格しても行くことはない学校である」と感じ、受験勉強は完全に「他人事」となります。
結果、中学受験で本気で取り組まなかった子は、公立中学に進んであともまともに勉強する習慣が身につかず、高校受験でも成功していないように感じます。

モチベーションの低下:
「想い」(モチベーション)が失われることで、学習へのやる気は最低水準に落ち込み、忍耐力や自信も失われます。

感情的な叱責と「親塾」

親のプライドが強すぎると(「公立は嫌だ」という強い不安)、成績の浮き沈みに感情的になりやすくなります。

過度な叱責:
その結果、「勉強ができない」と過度に叱りつけ、子どもを委縮させ、学習意欲を低下させます。

「親塾」の弊害:
さらに、コントロール欲求が高まり、親が勉強を教える「親塾」へと発展します。これは親子喧嘩の原因となり、子どもの主体性を奪う「百害あって一利なし」の行為です。


3. 「甘い基準」が招く最悪の結末

対策不足による全滅の現実

「公立でいい」という親の驕りが、受験戦略における甘い基準を生み、結果として「全滅」という最悪の不幸せを招きます。

戦略の欠如:
第一志望校の合格率がわずか5人に1人(約20%)という厳しい現実にもかかわらず、「第二志望以下は対策しなくても受かるだろう」という甘い基準で臨んでしまいます。

皮肉な現実:
その結果、本命で不合格となった際、バックアップの学校までもが、「甘い基準」と「対策不足」のために不合格となります。
親のプライドから始まった「○○以下なら公立でいい」という言葉が、皮肉にも「志望校全滅」と「公立進学」という、親子ともに深く傷つく「不幸せな中学受験」の結末となってしまうのです。


まとめ:不幸せを避ける鍵は「親のプライド」を捨てること

「不幸せな中学受験」を避ける鍵は、ただ一つ。
親のプライドを捨て、受験の目的を「子どもの成長と幸せ」に戻すことです。

受験の成功は、「他人との競争」ではなく、お子さん自身が「自分受験」を意識することです。

すべての受験校に想いを込め、戦略を練る:
併願校も含め、すべての学校に「ご縁があれば行きたい」という想いを持ち、戦略的な過去問対策を徹底してください。

親は絶対的な味方となる:
たとえ本番で不合格が続いたとしても、「あなたならできる」と、お子さんの合格を絶対的に信じ続けることです。

お子さんの「自分受験」の意識を育み、前向きな姿勢で本番に臨むことが、最高の合格という「幸せな中学受験」を引き寄せるのです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
では、また!
中学受験コンサルタントの野田英夫でした。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です