【中学受験の疑問】なぜ集団塾に通っていると母親が受験のマネジメントをしなければならないのか?

皆さん、こんにちは。
中学受験に維新を起こす男
中学受験コンサルタントの野田英夫です。

今週も、保護者の皆さんの疑問にお答えしていきましょう。

今回のテーマは、「なぜ集団塾に通っていると、母親が受験のマネジメント(管理と指導)までしなければならないのか?」です。

多くの共働きご家族、そしてお母様方は、「塾に高いお金を払っているのに、なぜ私がこんなに苦労しないといけないのか」と感じています。
しかし、その苦労の原因は、ご家族の責任ではなく、「集団塾の構造的な仕組み」にあるのです。

大手集団塾の構造的欠陥 「2割原理」

大手集団塾が、保護者にマネジメント(親塾)を丸投げする背景には、その授業設計に課題があります。

上位2割への最適化

大手塾の生命線は、難関校への合格実績にあります。つまり、「広告塔」となる上位生による合格実績の維持が最優先事項となります。

そのため、授業は、自力で進んでいける上位20%の優秀層に合わせて設計されています。

きっと皆さんは、授業というのはレベルを真ん中(中位)に合わせるものだと思っていたはずです。でも、現実は違うのです。

そもそも、この上位2割の優秀生にとっては、母親のマネジメントは必要ありません。彼らは自分で勉強できる主体性があるため、自分をマネジメントすることができるからです。

8割が置き去りにされる構造

この設計の結果、残りの8割の生徒は授業内容を完全に消化できていません。
理解が不十分なまま進むため、宿題や復習で必ず「穴」が生まれます。

しかし、塾側は、この構造的に生まれた「穴」を埋めるためのフォローの責任を負いません。
代わりに「お母さんがサポートしてください」と、そのマネジメント(指導、丸付け、計画、フォロー)の責任を家庭に転嫁することになります。
そのため成績が上がらないのは親の責任とされてしまいます。

マネージャーとなった母親が陥る「負のループ」

母親が子どもの受験マネージャーとなった結果、家庭内では深刻な問題に発展します。

親子関係の悪化
親が「指導役」となることで、言うとおりに勉強しなかったり、成績が下がると、感情的になり、子どもを過度に叱責することになります。
家庭が「安心できる場所」から「戦場」へと変わってしまいます。

子どもの主体性喪失
親が細かくマネジメント(外的コントロール)すると、子どもは「親にやらされている受験」だと感じ、自ら学ぶ意欲(主体性)を失います。
これが、「やる気が出ない」、「言われないと勉強しない」という状態を生み出すのです。

ムダな努力の累積
親が焦るあまり、志望校には適さない難問のフォローや、個別指導の併用(課金ゲーム)に走り、時間と費用、そして心を浪費します。

この構造から脱却する「戦略的な選択」

母親がマネジメントの重圧から解放され、お子さんが主体的に合格を目指すには、「塾をうまく活用した受験」へと戦略を切り替える必要があります。

親の役割の再定義
親は「指導役」や「マネージャー」ではなく、「絶対的な味方」であり続けることに徹してください。

責任の委託
学習管理、宿題の進捗、志望校への戦略立案といったマネジメント業務は、信頼できるプロにすべて委託することです。

逆算戦略の徹底
志望校合格から逆算し、遠回りな総合型カリキュラムを排除し、お子さんに必要なカリキュラムによって、非合理的な努力をなくし、親のフォローを不要にします。

お母様が笑顔でいること、そしてお子さんにとって家庭が安心できる場所であること。
それが、中学受験という長期戦を乗り切るための、最高の戦略なのです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

では、また!

中学受験に維新を起こす男
中学受験コンサルタントの野田英夫でした。

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