いつもブログをお読みいただきありがとうございます。
中学受験カウンセラー野田英夫です。
今週も、多くの保護者の皆様が抱える疑問にお答えしていきましょう。
今回のテーマは、「大学付属校は本当に将来に強いのか?」についてです。
中学受験において「大学までエスカレーターで進める」点に魅力を感じ、大学付属校を目指すご家庭も増えています。
一方で、
「付属校に入るとその後の競争力が下がるのでは?」
「就職や起業に不利では?」といった懸念の声も耳にします。
しかし実際には、大学付属校は「大学進学」だけでなく、「社会での活躍」を見据えた準備ができる、極めて未来志向の教育環境です。
今回はその実例や傾向をもとに、「将来を見据えた中学受験」の可能性を一緒に考えていきましょう。
「大学進学」がゴールではない。中高から始まる未来設計
付属校というと、「大学受験がない=ラク」というイメージを持つ方も多いかもしれません。
もちろん、大学受験から解放されるメリットは大きいですが、真の価値はその「余白の時間」をどう使うかにあります。
実際、付属校の中高生の多くが、中高の段階から将来のキャリアや社会貢献について真剣に考えるようになります。
受験に縛られないからこそ、起業に挑戦したり、ボランティア活動や探究学習に積極的に取り組む生徒も少なくありません。
こうした経験は、将来の就職・進路選択において、他の学生との差別化につながる強みとなります。
資格試験にも有利!中高からキャリアの土台づくりが可能に
大学付属校のもう一つの大きなメリットは、資格取得準備を大学入学を待たずに早い段階から始められることです。
たとえば、付属校の生徒は大学の施設(図書館・講義室・専門設備など)を一部利用できることもあり、大学生と同じ空間で学習に取り組む機会が得られます。
また、同じ資格取得を目指す大学生たちと情報交換をしたり、先輩から勉強方法を教わるなど、年齢を超えた学びのネットワークが形成される点も、一般校にはない魅力です。
中高生のうちから宅建、簿記、TOEIC、プログラミング、さらには法律や経済系の国家資格まで視野に入れることができ、将来のキャリアの選択肢が格段に広がります。
早慶ゼロワンにも士業を営む家庭からの入塾が後を絶ちません。
内部進学者=就職に不利は誤解。むしろ強みになる時代へ
「内部進学=受験を経験していない=就職に弱い」という見方をされることがありますが、それは一昔前の話です。
現在では、自ら主体的に学び、キャリアを設計する力が求められており、その点で付属校の生徒は圧倒的なアドバンテージを持っています。
早稲田大学や青山学院大学などでは、付属校からの内部進学生がリーダー的存在として活躍しているケースも珍しくありません。
また、GMARCHの各大学は、以下のように大手企業への就職実績でも高評価を得ています(※大学全体の実績):「有名企業400社への就職実績」
明治大学:全国25位
青山学院大学:29位
立教大学:31位
中央大学:37位
学習院大学:40位
法政大学:43位
(出典:アクシヴアカデミー・学歴フィルター調査)
加えて、三井物産・丸紅などの総合商社においても、これらの大学からの採用実績が継続的に見られます。
※内部進学者個別の就職率データは公表されていないものの、現場の指導者や卒業生の声からも、就職・キャリア面での不利はまったく感じられないという報告が多数あります。
未来の「選択肢」を増やす中学受験を
中学受験を考えるとき、「どこの学校に入るか」だけに目が向きがちですが、本当に大切なのは、
「入った先でどう過ごすか」「どれだけ将来を広げられるか」です。
大学付属校は、大学進学という一見「固定された道」のように見えて、実はその先に広がる可能性が非常に大きい教育環境です。
「資格」「就職」「起業」「学びの探究」「時間の自由度」
すべてを活かせるかどうかは、最初の中学受験でどの学校を選ぶかにかかっています。
お子様にとって、10年先、20年先を見据えた
「本当に価値のある受験」を一緒に考えていきましょう。
では、また!
中学受験カウンセラー 野田英夫でした。