【中学受験の真実】そのテキスト!? 志望校に合っていますか?― 大学付属校志望なのに「予習シリーズ」?志望校に合った教材を選べていますか ―

こんにちは。中学受験カウンセラーの野田英夫です。

今回は、大学付属校を志望しているにもかかわらず、
「予習シリーズ」で学習を進めているご家庭に向けてお伝えしたい大切なテーマです。

志望校と教材の“ズレ”に気づかないまま受験を進めてしまうと、
せっかくの努力が報われない——そんな事態を避けるために、ぜひ最後までお読みください。


「大学付属校と進学校では、入試が違うと聞いたのですが…」

保護者の方から、こんなご相談をいただくことが増えています。

「大学付属校と難関進学校では、入試の傾向が全然違うと聞いたのですが…」

「うちの子は大学付属校を志望しているのに、塾では『予習シリーズ』を使っていて、正直、難し過ぎると感じるのですが…」

「予習シリーズは、御三家などの難関進学校向けのテキストだと聞きましたが、それは本当でしょうか?」

「付属校は進学校より入試が“やさしい”と聞きました。それなら、あえて難しい教材をやらせる必要はあるのでしょうか?」

こうした声に共通しているのは、
「うちの子の志望校に、この教材は合っているのか?」というご家庭の素朴な疑問と不安です。


「予習シリーズ」は、御三家などの進学校向け教材です

結論から申し上げると、予習シリーズは基本的に、
開成・麻布・桜蔭といった最難関進学校を目指す子ども向けに設計された教材です。

  • 読解問題は高度で文章量も多く、抽象的な思考力を必要とする
  • 算数は複雑な図形や特殊算が中心で、深い論理的思考が求められる
  • 理科・社会も、広範な知識と論理的整理力を問う内容が多い

つまり、「じっくり考える力」「抽象的な思考力」を鍛えることを目的とした“思考型カリキュラム”と言えます。

しかしながら、現実の集団塾の授業や宿題では、
大量の課題が次々と課されるため、瞬時に解答できる優秀な生徒を除いて、多くの子どもたちは「じっくり考える時間や余裕」が十分に確保できていません。

結果として、教材の意図通りの深い思考トレーニングがなかなかできず、課題をこなすことが最優先になってしまうことも少なくありません。

予習シリーズのような深い思考を促す教材は、大学付属校の出題形式とは異なるアプローチが求められるため、適した指導や補完がないまま使い続けるのは注意が必要です。


大学付属校の入試は「実戦型」×「処理力重視」

一方、早稲田・慶應・明治・中央・法政などの大学付属校の入試では、難関進学校とは出題傾向や求められる力が大きく異なります。

  • 記号選択問題が多く、スピーディかつ正確な処理力が求められる
  • 読解問題は要点の把握と設問処理の効率性が重視される
  • 難問奇問よりも、基礎~標準問題を取りこぼさずに得点する力が試される
  • 記述問題も、簡潔かつ的確にまとめる力が評価される傾向にある

つまり、じっくり思考を深める力だけでなく、限られた時間で成果を出す「実戦力」や「得点力」が、合否を大きく左右するのです。

そのため、予習シリーズのような抽象度が高く、時間をかけてじっくり取り組むタイプの教材は、大学付属校対策にはやや不向きな場面もあります。
志望校の傾向に合った教材と学習法の選択が、非常に重要になります。


なぜ、塾は予習シリーズを勧めてくるのか?

多くの中学受験塾では、効率的な運営のために、全生徒に同じ教材を配布する“一斉カリキュラム”を採用しています。

その背景には、以下のような理由があります。

  • 教材の一括管理が容易で、運営コストを抑えられる
  • 講師もカリキュラム通りに授業を進めやすく、指導の質を均一化できる
  • 御三家や最難関進学校の合格者を輩出することが塾のブランド力や評判向上に直結するため、難関校向け教材を標準教材として採用し、全生徒を高いレベルに引き上げたいという方針が強い

この結果、大学付属校志望の生徒であっても、特別な対応がなされず「予習シリーズ」が一律に配布されるケースが多くなっています

実際に、このような運営方針による教材の画一的な使用が、全国の中学受験市場で広く見られる現象となっています。


大学付属校の出題傾向と、それに合った教材選びの重要性

大学付属校の入試で合格を勝ち取るためには、
その学校特有の出題傾向や問題形式に合った教材と学習法を選ぶことが不可欠です。

特徴としては、

  • 難問ばかりに挑むのではなく、基礎・基本をしっかり固める学習が重視される
  • 大学受験がないため、問題の内容や出題意図が異なり、思考の深さよりも、確実に得点できる力が求められる
  • 社会・理科は重要テーマの理解を深めつつ、的確に解答できる力を養うことが必要
  • 学校別の過去問や類似問題を通して、出題形式に慣れることも大切
  • 記号選択問題が中心となり、限られた時間で正確に判断する力が求められます

記号選択問題が多くなり、限られた時間で正確に判断する力が求められますこのように、単に難しい問題や大量の問題をこなすことではなく、
基本を徹底し、出題意図に即した実戦的な力を養う学習が求められます。

大学付属校では内部進学を前提とするため、入試も「その先を見据えた適性」を測る内容になります。したがって、思考の深さよりも、確実に得点できる力や基礎の定着度が重視される傾向にあります。


使用テキストに違和感を感じたら、一度ご相談ください

「なんとなく難しすぎる気がする…」
「方向がズレているような気がする…」

そんな直感は、間違っていないかもしれません。

早慶ゼロワンでは、大学付属校に特化した専門カリキュラムをもとに、
大学付属校に適したテキストを使用しています。

「この教材で本当に合ってるのかな?」と感じたら、ぜひお気軽にご相談ください。

教材・学習相談はこちら(リンク)

オンラインでのご相談も可能です。


まとめ|志望校から“逆算する”受験を

中学受験において、最大の失敗は「がんばっていたのに、うまくいかなかった」ということ。

志望校に合わない教材を使い続けることは、目的地を間違えたまま走るマラソンのようなものです。

お子さまの努力が“正しく報われる”ように、
今一度、「その教材、志望校に合っていますか?」と問い直してみてください。

志望校合格というゴールから逆算してみてください。

どこをどのように走ればいいか、きっと道が見えてくるはずです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

では、また!

中学受験カウンセラー野田英夫でした。

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