【中学受験の不安・・・】「転塾は、”逃げか?”それとも”戦略か?」

皆さん、こんにちは
中学受験カウンセラー野田英夫です。

今回は、多くのお母さま方が悩まれている「転塾」について、お話ししたいと思います。

「いまの塾で、本当に志望校に合格できるのか?」

「成績が下がっていくのは、塾が合っていないから?」

そんな不安を抱えながらも、なかなか一歩を踏み出せないでいるお母さまも多いのではないでしょうか。

転塾は、お子さんの受験の行方を左右する、とても大切な決断です。

今回は、これまでのカウンセリング経験をもとに、

転塾を検討すべきサインと、成功のための考え方をお伝えします。


【転塾をためらう「3つの理由」】

成績が伸び悩み、お子さんのやる気も見られない。

それでも転塾に踏み切れないのには、お母さまの心の中にある、いくつかの共通した心理が関係しています。

1.「周りの目が気になるから」

「塾」、「家族」、「ママ友」といった周囲の目を気にしてしまい、冷静な判断ができなくなってしまうことがあります。

特に、世間体が気になって「あの子、塾を辞めたらしいよ」と陰口を言われるのではないかと不安になる方もいます。

でも、お子さんの将来にとって何が最善かを考えることが、一番大切なはずです。

2.「これまで費やしたお金や時間がもったいないから」

これは「コンコルド効果」とも呼ばれる心理です。

これまで支払った多額の授業料や、費やしてきた時間や労力を惜しむあまり、「今辞めたら、これまでの努力が無駄になる」と考えてしまいます。

でも、損失につながるとわかっていながら続けることは、お母さまにとっても、お子さんにとっても辛いだけです。

3.「子どもがいまの塾を辞めたくないと言うから」

成績がずっと低迷していて、下位クラスのままでも、お子さんが「塾は辞めたくない」と言うことがあります。

これには、塾側の「退塾防止」策が関係していることが少なくありません。

授業についていけていなくても、塾の雰囲気を「楽しい」と思わせることで、塾にいること自体が目的となってしまっているケースがあるのです。

また、中学受験が当たり前の地域だと、成績やクラス順位、志望校への合格は二の次で、塾に通っていることが「みんなと同じ」という安心感につながり、目的化してしまうこともあります。

これらの心理的な壁に、母親の「現状維持バイアス」が加わることで、状況を変えたいと思いながらも、結局は現状にとどまってしまうのです。
この現状維持バイアスが働くと、目の前にある問題から目を背けてしまいがちになります。
このままでは明るい未来が見えないと思っているのなら、行動をしなければ現状を変えることはできません。立ち止まっていても現状が好転することなどけっしてないのです。


【こんなサインがあったら、転塾を考えてみませんか?】

もし、以下のような状況に当てはまるなら、転塾を真剣に検討する時期かもしれません。

1.成績が1年以上、伸び悩んでいる

塾に通い、頑張っているのに、1年以上にわたって成績が停滞・下落している場合、学習方法や塾のカリキュラムがお子さんに合っていない可能性が高いです。

特に大手集団塾の授業は、上位2割の生徒に合わせて進むため、多くの子どもが置いていかれてしまいます。

「いつか必ず好転する日が来ますから!」
塾の先生に悪気はないのです。そうなればと期待しての言葉でしょう。しかし、受験が終わるまで「いつか」は来ません。
成績が1年以上伸び悩んでいるなら、それは環境が合っていない証拠であり、何かを変えなければ好転は望めません。

2.「授業についていけていない」と感じる

お子さんが塾の授業内容を理解できずに帰宅し、家庭で親が再び教えなければならない状況は、授業料と時間の無駄です。

これは、塾のカリキュラムが難しすぎるか、お子さんの精神年齢や学習スタイルに合っていない証拠です。

3.お子さんが「やる気がない」

「どうして勉強しなければいけないの?」という気持ちが強く、やらされていると感じている場合、お子さんの受験に対する「目的」が明確になっていない可能性があります。

このような状態で塾に通い続けても、成果は期待できません。

4.「親塾」が原因で親子関係が悪化している

家庭での学習フォローが原因で、親子喧嘩が絶えず、家庭内の空気が険悪になっている場合、それはお子さんの心の健康を損なうリスクがあります。
親が勉強を教えることは「百害あって一利なし」です。
学習管理は塾に任せ、お母さまは心の支えに徹すべきです。


【成功するための「転塾戦略」】

転塾を成功させるためには、闇雲に次の塾を探すのではなく、戦略的に進めることが重要です。

何もしなければ、状況は好転しないという現実を認識してください。

成績が伸び悩んでいるのに、同じ環境で同じことを続けていても、結果は変わりません。

勇気を出して行動を起こすことが、現状を変える唯一の方法です。

塾の成績を上げることが必ずしも合格につながるわけではありません。

多くの保護者は、塾の成績を上げれば志望校に合格できると勘違いしています。

しかし、塾の成績は塾内での相対評価であり、志望校の入試問題が解ける力とは直結しません。

塾の成績を上げるための勉強に注力した結果、志望校の出題傾向に合わせた対策が疎かになり、本番で力を発揮できないケースも多いのです。

まず、集団塾から別の集団塾へ転塾することに、大きな意味はありません。

集団塾の指導法はどこも似ており、転塾したからといって成績が劇的に向上することは稀です。
また、集団塾の一番の問題点は、志望校への対応ができないことにあります。それは集団塾というのは一律で一斉の授業だからです。

いま集団塾に通っていて、志望校合格への期待が持てないのなら、個別指導塾への転塾を検討してみてください。

個別指導は、お子さんの個性や志望校に合わせたオーダーメイドのカリキュラムで、効率的に合格に導くことができるからです。

ただし、個別指導塾であればどこでも良いというわけではありません。

集団塾の「補習」をメインにしている個別指導塾は、あまり意味がありません。

その塾に通うことで、集団塾の成績やクラス順位を維持できたとしても、それは志望校合格とは直結しないからです。

転塾する際は、志望校と、お子さんの学習スタイルに合わせた指導をしてくれる個別指導塾を探しましょう。
そして、「我が子の将来を最優先にすること」を忘れないでください。


【最後に】

転塾は、お子さんにとって大きな変化です。

しかし、それがお子さんの個性や才能を伸ばし、受験の成功、ひいては将来の幸せにつながる道であるならば、勇気を出して一歩踏み出す価値は十分にあります。

お子さんの未来は、偏差値や塾のブランドだけでは決まりません。

お子さんが自分らしく、自信を持って学べる環境を、お母さまが見つけてあげてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

では、また!

中学受験カウンセラー野田英夫でした。

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