小学生で転塾する理由とは?中学受験のための塾選びと転塾のポイント

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小・中学生が中学受験や高校受験を目指す際、自宅学習に加えて塾でも勉強するケースが多くあります。
塾の教材や指導方法が合っていれば成績を大きく伸ばせる可能性がありますが、万が一塾が合わない場合、子どもの学習意欲や成績に影響が出る可能性があります。

この記事では、転塾の経験割合、転塾のタイミング、メリット・デメリットについて紹介します。
塾を変更する可能性や予定がある方、より良い学習環境を探している方は、ぜひ参考にしてください。

転塾を経験したことがある小学生の割合は?

塾選ジャーナルが、小・中学生を持つ保護者500名に実施した調査では、転塾を経験したことがある小学生の割合は全体の25%、中学生の割合は全体の21%でした。

小学生と中学生ともに約2割が転塾経験があり、塾の雰囲気や運営体制、講師との相性を理由に見直していることが明らかになりました。

参照元:塾選ジャーナル「塾選調べ:「転塾」に関する調査

転塾を決めた理由

塾選の同調査によれば、小学生が転塾をした理由は次のとおりでした。

  • 思うように成績が上がらなかった
  • 塾の雰囲気が合わなかった
  • 塾の講師が苦手だった
  • 塾からのサポートに満足がいかなかった
  • その他
  • 塾の授業内容や宿題の量についていけなかった
  • 塾に通うのが時間的に大変だった

小学生の転塾では、保護者が子どもや塾との話し合いを通して見直しを行うケースがみられました。

中学生が転塾を考えた理由は次のとおりです。

  • 思うように成績が上がらなかった
  • 塾の雰囲気が合わなかった
  • 塾の講師が苦手だった
  • 塾の授業内容や宿題の量についていけなかった
  • 塾からのサポートに満足がいかなかった
  • 塾に通うのが時間的に大変だった
  • その他

小学生と中学生の転塾理由を比較すると、「授業内容や宿題の量についていけなかったため」が中学生の方で4番目に多い理由でした。

小学生の転塾理由よりも明確な理由があり、学習環境が合わなければより良い環境へ変更するといった対応をとっていることがわかります。

転塾のタイミング

塾選の調査では、小・中学生のどちらも転塾のタイミングが「学年が切り替わるとき」となりました。

新学期の開始時期に転塾し、新たな環境で1年をスタートする傾向が見られます。
講習会が始まる時期に合わせて転塾し、中・長期間の講習から新しい塾での勉強をスタートさせるケースもあるようです。

失敗する転塾の理由とは

転塾とは、子どもがよりよい学習環境を得るために塾を替えることです。

ここからは、転塾が失敗する理由について、詳しくみていきましょう。

理由に筋が通っていない

転塾が失敗する要因のひとつは、転塾の理由に筋が通っていないことです。
目的や課題の整理をしないまま転塾することは、失敗に終わりやすい典型的なパターンです。

「なんとなく合わない」「他の塾の方がよさそう」と、感覚的な判断で塾を変えてしまうと根拠が十分ではないため、転塾後も同じような問題に直面する可能性があります。

塾を変えると新しい環境に身を置くことになるため、子どもにとって精神的な負担が大きくなります。
塾に入り直すための手間やコストもかかり、その結果新しい塾も合わなければ、後悔が大きくなってしまうでしょう。

転塾後に後悔しないためには、在籍している塾の課題をきちんと把握し、その課題を解決できる塾を探すことが大切です。

「成績が伸びないから」という理由では不十分?

成績が伸びないため塾を変えるという方法は、一見転塾にふさわしい理由に思えます。
しかし、それだけでは転塾がうまくいくとは限りません。

成績が伸びない原因には子ども自身の学習習慣・家庭学習の質・理解不足・生活リズムの乱れ・精神的要因などが原因の場合もあります。

根本原因が改善されていないと転塾が解決策として機能せず、新しい塾のカリキュラムや教材に慣れるまでに時間もかかるため、かえって学習環境が不安定になる可能性もあります。

成績が伸びないからといってすぐに転塾を検討するのではなく、原因をしっかりと分析したうえで、塾が合うか合わないかを見極めることが重要です。

転塾すべきか判断するポイント

転塾が必要かを判断するためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。

4つのポイントについてみていきましょう。

ポイント①塾の指導方針が塾に通う目的と合っていない

志望校や子どもの学習スタイルに対して、塾の方針や体制が子どもの学習目的とずれている場合は、転塾を検討する時期といえます。

たとえば、志望校対策が弱い・わからないことが解決できないまま進んでしまう・応用を学びたいのに基礎ばかりの授業が続くような塾は、子どもの学習目的と合致しなければ学習効率の低下を招きます。

塾は通うことだけが目的ではなく、学力アップや不明点・苦手の克服、さらには志望校合格の手段であるため、通い続けて成果につながるかどうかを判断する必要があるのです。

ポイント②講師の質や学習環境に問題がある

講師の質に問題がある場合、学習効率や効果が低下する可能性があります。

講師に問題はなくても教室が騒がしい、過度な競争環境にある、何らかの問題のある生徒が在籍しているようなケースも、学習環境として適切ではありません。

どのような状況におかれているかは、子ども自身が感じ取って判断するものです。
子どもの声をきちんと聞き取り、適切でない環境であれば学習意欲に影響するため、転塾を検討する時期といえます。

ポイント③学力がなかなか伸びない

塾に通っているにもかかわらず、テストの点数や偏差値が予想よりも上がらないときは、塾での学習内容や指導方法が合っていない可能性があります。

しかし、成績が伸びない原因は塾だけではなく、子どもの学習習慣や精神的な部分などにあることも多いものです。
まずは家庭学習の状況、お子さんが普段どのように勉強しているのかを確認して、塾で学んだことが定着しているかをチェックしてみてください。

振り返りやその他の見直しを行っても成績の改善が見られなければ、子どもの特徴や好み、理解力に合う塾への転塾を考えると良いでしょう。

ポイント④今よりも条件の良い塾が見つかった

現在通っている塾よりも条件が良い塾があれば、子どもとの相性を見て転塾を検討してもよいかもしれません。
「志望校対策が充実している」「宿題の量が少ないが効率的な授業を展開している」といった条件に納得できるなら、転塾の対象と考えてよいでしょう。

子どもの希望に加えて、「通いやすい立地にある」「金銭的な負担が軽い」など、親御さんにとって条件の良い塾も同様に、転塾の選択肢になるでしょう。

大手だからという理由は漠然としており転塾の根拠としては不十分ですが、条件面に納得があり、親子とも賛同できるなら、塾変更の決断材料になります。
体験授業や説明会にも参加し、実際の塾の雰囲気を確認してから決めることをおすすめします。

転塾に適したタイミング

次に、転塾に適したタイミングを詳しくみていきましょう。

塾に通う目的が変わったとき

入塾当初の目的が変わった場合は、その目的に合う塾への乗り換えを検討する好機です。

たとえば、基礎をしっかりと固める目的で入塾し、その後基礎力がついてきて志望校が定まり、受験対策をしっかり行いたい目的に変わったときは、志望校への合格をサポートしてくれる塾を選びましょう。

目的に合わせた指導が受けられる塾への転向は自然な流れです。
特に、中学受験では志望校ごとの対策として、入試の傾向分析や過去問の演習が合否を左右しやすいため、現在の塾が対応しきれていなければ、早めに塾の変更を検討したいところです。

学期が変わったとき

学期が変わるときは塾のカリキュラム、教材が新しいものに変わる時期のため、転塾に適しています。
学期途中での転塾に比べてスタートがきりやすく、学習進度のギャップも生まれにくいため、子ども自身も新しい環境に慣れやすいタイミングといえます。

塾によっては、入塾テストや体験授業を開催し、転塾を検討している方を積極的に受け入れているため、選択肢にある塾を比較検討しやすい点もメリットです。
塾の変更を検討するときは、学期が変わる前を区切りとして活用してみてはいかがでしょうか。

学年が変わったとき

学期と同じく、学年が変わったときも転塾に適したタイミングといえます。
新学年が始まる時期は塾のカリキュラムが新しいものにリセットされるため、転塾にも適したタイミングです。

小学6年生の4月は中学受験にふさわしいタイミングとして、志望校対策のために塾を変更するケースがみられます。
4月はクラス替えなどがあり、お子さんも気持ちを新たにする季節です。
新しい環境になじみやすいタイミングのため、塾の変更にも適した時期といえるでしょう。

転塾するメリット

塾を変えると、子どもの学習環境は今までとは違ったものになります。
一見難しく思える転塾には、環境を変える以外にどのようなメリットが期待できるのでしょうか。

転塾によって期待できる2つのメリットをみていきましょう。

メリット①さらなる成績アップを目指せる

現在の塾で成績が伸び悩んだときは、そのまま留まるよりも子どもに合った指導方法・教材・学習ペースを備えた塾に転向することで、意欲ややる気が高まり、理解力や成績の向上が期待できます。

一例として、集団塾が合わない子にそのまま集団塾へ通わせるよりも、個別指導や自習可能な塾へ転向させれば、自分のペースを守って学習が進められるでしょう。
「塾は好きだが内容が物足りない」と考えている子は、志望校対策や応用授業に強い塾へ移ることで、目標を設定したうえで勉強を効果的に進められる可能性があります。

転塾は必須ではありませんが、子どものもつ個性や意向を踏まえた環境を整えれば、さらなる成績アップが期待できます。

メリット②学習へのモチベーションが向上する

新しい塾に通うことで気持ちが切り替わったり、停滞感から抜け出してやる気を高めるなど、前向きな変化が生じやすくなります。

講師や生徒は今までと異なり、まったく違ったタイプとの出会いが刺激になるかもしれません。
目的意識や志が高い仲間に恵まれれば、受験や学び対する意識が変わり、高いモチベーションで勉強を続けられるでしょう。

志望校は異なっても高い意識を持つ仲間と学べる環境は、競争心が学習を後押ししてくれることがあります。
張り合いを感じられなかった子にとっては、環境の変化がよい刺激となり、モチベーション向上につながります。

転塾するデメリット

急ぎや焦りから転塾を決めてしまうと、予想外のデメリットが発生するケースもあるため注意が必要です。

ここでは2つの注意したいデメリットを確認していきましょう。

デメリット①必ず成績が伸びるとは限らない

転塾の多くは成績向上や環境の変化を目的として行われますが、必ずしも塾を変えただけで成果が出るとは限りません。
新しい塾で指導法や教材が合わない、子どもが環境の変化に適応できないといったマイナスの影響を受けるとモチベーションが失われやすく、学習リズムの乱れも発生しやすくなります。

転塾で大きく混乱しないためには、成績が伸ばせるかどうかを事前によく確認しましょう。
体験授業や説明会に参加し、先に塾に通っている子からの感想を聞くなど、塾への通いやすさや勉強しやすさをお子さん自身でチェックすることが大切です。

塾の変更が逆効果になる可能性も踏まえて、慎重に判断するようにしましょう。

デメリット②塾との相性が合わない可能性がある

大手進学塾や有名塾は知名度が高く、実績が豊富で授業や教材の質が高いという長所がありますが、必ずしも子どもと相性が合うとは限りません。
実際の授業や講師のタイプ、生徒の雰囲気などは実際に通ってみなければわからないためです。

相性が合わなければ子どものやる気は低下し、学習への興味や志望校への憧れが薄れて、転塾の前よりも成績が下がるおそれがあります。

転塾して中学受験を成功させるためには?

転塾して中学受験を成功させるためには、どのようなポイントに注意すべきなのでしょうか。

塾に通う目的と塾のタイプを明確にする

はじめに、塾に通う目的をはっきりとさせる必要があります。
「志望校合格」「算数の成績を伸ばす」といった具体的な目的を設定することで、塾の選定基準が明確になります。

次に、その目的に応じた塾のタイプを選びますが、必ず通塾しなければならないわけではありません。
「算数の成績を伸ばしたいが、通塾のスタイルでは算数だけを勉強しづらい」といった場合には、オンライン授業や添削形式のスタイルを採用している塾も選択肢に入れたいところです。

集団指導塾・個別指導塾のどちらかを選ぶ

通塾スタイルをとる場合は、集団指導塾または個別指導塾から選びます。

集団指導塾は1人の講師が2名以上の集団に対して一斉授業を行う形式です。
個別指導塾は1人の講師につき、1名または2名の生徒が授業を受ける形式で、完全1対1のスタイルであれば、他の生徒に左右されず集中して授業に取り組めます。

通いやすい塾を選ぶ

通塾スタイルは、決められた日にちを守って塾に足を運ばなければなりません。

子どものスケジュールや体調によっては通塾が難しくなる可能性もあるため、できるかぎり自宅や学校から通いやすい立地・時間割の塾を選びましょう。

中学受験に向けて塾を選ぶ際に確認すべきポイント

塾選びでは、以下の3点を確認することが重要です。

講師の質を確認する

受験勉強に集中するためにも、講師の質やタイプをしっかりと確認することが大切です。
指導方法や性格が合わなければモチベーションの低下につながるため、万が一講師と合わないときには変更してもらえるかどうかもチェックしておきましょう。

授業内容を確認してミスマッチを防ぐ

「有名進学塾だから」「みんなが通っているから」という理由で入塾するとミスマッチが発生しやすいため、授業内容が入塾の目的に合致しているか、慎重に確認しましょう。
ハイレベルな志望校を目指しているときは、相応の難易度の授業が受けられる塾を選ぶといった方法です。

サポート体制が整っているかチェックする

転塾の直後は学習進度や塾内の雰囲気の違いに戸惑うケースもあるため、塾側のサポートが不可欠です。
一人ひとりの生徒に対して適切に成績管理や志望校対策をしてくれるのか、学習相談に応じてもらえるかなどを確認しましょう。

中学受験を目的とした転塾は早めに検討を

今回は、転塾を経験した小・中学生の割合や転塾に適したタイミング、中学受験に向けて塾を選ぶ際に確認したいポイントを紹介しました。
通っている塾が合わなければ転塾を検討することになりますが、授業内容や講師の質、指導方法などをよく確認して、ミスマッチを防ぐ工夫が必要です。

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